データ通信

モノ、サービスが売れない時代と言われていますが、みんなが欲しいものは割と明確で、”どこでもつながる高速データ通信”と”ものすごく長持ちするバッテリー”です。

特に高速データ通信は、スマートフォン・ユーザーの拡大、PC、タブレット(iPad)、ゲーム機とネットワーク接続が必要なデバイスがより一般的になり、ますます需要が拡大しています。

今年に入り、ソフトバンク、イーモバイルが相次いで4Gデータ通信サービスの提供をはじめ、先行するドコモのクロッシィ、auのWiMAXに加えて通信キャリア各社が高速データ通信サービス分野(*)で激しい競争を繰り広げています。
*それぞれのキャリアのデータ通信規格は異なり、一列で比べることは難しいのですが、各社の高速データ通信サービスという意味です。

ユーザーから見れば競争はウレシイ反面、どれを選べばいいのか迷ってしまう面もあると思います。そこで、気になる通信速度、つながるエリア、価格の面から各社のサービスを比較してみたいと思います。

キャリア カタログ速度 実測(*1) エリア 価格(*2) 利用制限
クロッシィ(docomo) 下り: 75Mbps
上り: 25Mbps
LTEエリア外:14Mbps
3.60 Mbps
3.29~16.14Mbps
東京都内、大阪、名古屋市内など大都市が中心 4,935円
しばり期間:2年
7GBを超えたら、月末まで通信速度が落ちる(*3)
UQ WiMAX 下り: 40Mbps 3.90Mbps
10.5~23.80Mbps
全国政令指定都市、県庁所在地・中規模都市レベルでカバー 3,880年
しばり期間:1年
利用データ量制限なし
ソフトバンク4G 下り: 76Mbps 8.55Mbps 東京都内、大阪、名古屋市内など大都市が中心 4,980円
しばり期間:2年
5Gバイトを超えたら、請求月末まで通信速度が落ちる(*3)
EMOBILE LTE 下り: 75Mbps
上り: 25Mbps
2.67Mbps 東京都内、大阪、名古屋市内など大都市が中心 3,880円
しばり期間:2年
特になし

 

*1:1行目は次世代高速データ通信の速度は「SoftBank 4G」が他社を圧倒 — ICT 総研が東名阪26ヶ所で実測調査。2行目は高速データ通信カードに関する地域別実測比較調査のデータを利用
*2:クロッシィの価格はXiデータプランにねん、UQ WiMaxの価格はUQ Flat 年間パスポート、ソフトバンクの価格は4Gデータし放題フラット、EMOBILEの価格はLTEフラット
*3: ドコモ、ソフトバンクとも2012年10月以降から適応されるため、2012年4月時点ではこの制限はない

通信速度

通信速度は、UQ WiMAXを除きカタログスペックでは75Mbps前後で、各キャリア横並びです。一方、実際の通信速度でみると、UQ WiMAXが特別に劣っているというわけではなく、調査の場所、時間によって本当に様々な結果が出ています。

また、ソフトバンクやEMOBILEの速度が早いという調査に対しては、サービス開始直後であり利用ユーザーが多くないためであり、今後ユーザーが増えると速度は落ちるのではないかとの指摘もあります。

実際、現時点で利用ユーザーの多いUQ WiMAXはソーシャルやマーケティング系のセミナー会場などで利用している人が多いせいか、つながりにくくなるとの報告も結構あります。

また、注意しなければいけないのは、クロッシィ、ソフトバンク4G、EMOBILE 4G LTEはインフラ整備が充分ではなく、現時点(2012年3月末)では利用できるエリアが大都市の中心部に限定されており、4Gが整備されていないエリアでは従来の通信ネットワークでの通信になるということです。

エリア

すでに述べたように、各キャリアの次世代通信網インフラは整備中であり首都圏でも繋がらないエリアがあるので、各キャリアのエリア情報を確認しましょう。

いかに各キャリアの首都圏における状況を一覧で紹介していますので、参考にしてください。なお、以下のデータは2012年3月時点のものですので、各リンクから最新情報を確認ください。

xi(クロッシィ):クロッシィ・サービス・エリア

ドコモLTEエリア

UQ WiMAX: サービスエリア

UQ WiMAXエリア

ソフトバンク 4G: サービスエリア

ソフトバンク4Gエリア

EMOBILE LTE: サービスエリア

eモバイルサービスエリア

価格

価格は、月額3,880~4,980円と1,000円程度の差があり年間にすると12,000円と結構な差になります。ただ、4,000円後半のドコモとソフトバンクも、各キャリアのすでにスマートフォンを利用している場合、ソフトバンクは3,880円、ドコモは3,980円と、UQ WiMAXやイーモバイルとほぼ同額になります。つまり、利用者によって料金は変わってくるということになります。

こうしてみると後発のキャリアが先行するUQ WiMAXと同じ価格帯で新製品を投入しており、UQ WiMAXが不利のように見えますが、各キャリアとも2年間のしばりがある中、UQ WiMAXだけしばり期間が1年となっています。

また、UQ WiMAXは価格.com経由などで契約するとキャッシュバックがあったりして、キャンペーン期間などであれば実質月額2,000円台で契約できる可能性もあります。

UQ WiMAXのディスカウントプラン例: BroadWiMAX

各キャリア一長一短の中、バランスでいえばUQ WiMAXがいいかも

繰り返しになりますが、今回のデータ通信比較の中でUQ WiMAXだけが少し前のサービスになります。そのためカタログスペックでは通信速度は劣っており、実測でも場所によっては他のサービスよりも遅いケースがあるでしょう。ただ、サービス開始から時間が経っている分、エリアが広く東京、大阪などの大都市部だけでなく地方都市などでもネットワークにつながりますし、動画など大量のデータを見るのでなくブラウザーでウェブ閲覧をするという利用方法であれば、充分な速度は得られるでしょう。

また、データ通信量に上限がないこと、価格が安価であることも魅力です。

これから、急速に各キャリアのインフラ整備は進むと思いますが、全国にネットワークを張り巡らすには、やはり1年くらいはかかるのではないでしょうか。そういう意味でも、1年しばりのUQ WiMAXであれば、インフラ整備が整ったころに4Gサービスに乗り換えるということも気軽にできると思います。

もちろん、東京などの大都市圏でしか使わないとう方、とにかく早いデータ通信、新しいサービスを利用したいという方は迷わず最新のサービスを利用するのがよいと思います。

ここで紹介させていただいた以上に多くの選択肢がありますので、ご自身の優先順位(速度、価格、エリア)にあったデータ通信を選びましょう。



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