日本のソーシャル・オリンピックをランキングで振り返る
選手の4人に1人がツイッターで情報を発信。総フォロワー数115万人、総リツイート数27万5,000回
史上初のソーシャル・オリンピックと呼ばれたロンドン・オリンピックを日本人選手(69名)のTwitterデータを元にランキング化してみました。
フォロワー数は2012年9月1日時点で、ツイートデータはオリンピック期間(2012年7月25日から2012年8月12日)となります。
ロンドンオリンピックのツイッター・データのまとめ
- 総フォロワー数:1,151,623名
- 総ツイート数:3,365件
- 総リツート数:275,650件
- 平均リツイート数:82回
- ツイッターを利用した選手数:69名(*)
- ツイッターを利用した選手率:23.6%(69名/292名:日本人オリンピック出場選手数)
*facenaviで把握できた選手のみ。なお、サッカーの澤穂希選手などツイッターアカウントを持っているのだが、オリンピック期間中1度もツイートしなかった選手は今回のランキングの集計からは外しています。
フォロワー数1位は北島選手、2位は入江選手
フォロワー数1位は北島康介選手、2位は入江選手と競泳勢がワンツーを独占し、3位は大津選手、4位は清武選手とサッカー選手が続きました。
アカウント名 | フォロワー数 | ツイート数 | リツイート数 | ||
---|---|---|---|---|---|
1 | Kosuke Kitajima | 164,806 | 80 | 45,039 | |
2 | 入江陵介 | 122,452 | 37 | 38,668 | |
3 | 大津祐樹 | 111,053 | 56 | 39,565 | |
4 | 清武弘嗣 |
110,022 | 120 | 65,367 | |
5 | 酒井宏樹 | 63,254 | 59 | 29,600 | |
6 | 大儀見優季 | 51,495 | 77 | 4,100 | |
7 | Kei Nishikori | 48,017 | 14 | 892 | |
8 | 潮田玲子 | 46,797 | 65 | 1,990 | |
9 | 加藤凌平 | 32,275 | 9 | 5,445 | |
10 | 岩清水梓 | 31,827 | 108 | 5,202 |
最もリツイートされたのは清武選手で65,367回
ツイートが最もリツイートされたのはサッカーの清武弘嗣選手で、以下北島康介選手、大津祐樹選手、入江陵介選手、酒井宏樹選手とサッカーと競泳の選手が続きました。
アカウント名 | フォロワー数 | ツイート数 | リツイート数 | ||
---|---|---|---|---|---|
1 | 清武弘嗣 |
110,022 | 120 | 65,367 | |
2 | Kosuke Kitajima | 164,806 | 80 | 45,039 | |
3 | 大津祐樹 | 111,053 | 56 | 39,565 | |
4 | 入江陵介 | 122,452 | 37 | 38,668 | |
5 | 酒井宏樹 | 63,254 | 59 | 29,600 | |
6 | Takeshi Matsuda | 30,832 | 38 | 6,180 | |
7 | 永井 謙佑 | 31,107 | 10 | 5,815 | |
8 | 加藤凌平 | 32,275 | 9 | 5,445 | |
9 | 岩清水梓 | 31,827 | 108 | 5,202 | |
10 | 鈴木大輔 | 19,136 | 41 | 4,609 |
最もリツイートされたのは入江選手の銅メダル獲得ツイート
ロンドンオリンピック期間中、最もリツイートされたツイートは入江選手の銅メダル獲得のツイートで11,934回リツイートされていました。また、上位5位はいずれも競泳選手のツイートでした。
入り江選手のツイートが人気になった要因として写真を掲載したことがあると想定されます。テレビなどのメディアを通じてではなく、選手本人が撮影した写真はやはり感情にひびくものがあったのでしょう。
1位 リツイート回数11,934
100mで銅メダル獲ることが出来ました!
本当にたくさんの応援ありがとうございます!たくさん人の支えがなかったら本当に獲れなかった…
まだ200m,400mメドレーリレーがあるので頑張ります(^-^)/ http://t.co/rVREH9QO
2位 リツイート回数9,852
今夜決勝です。この場所に戻ってこれたこと、水泳バカな俺を支えてくれたすべての人に感謝して、コース台に上がります。
3位 リツイート回数8,986
200m銀メダルでした!
金を目指していたので悔しいですが、自分のレースが出来ました。本当に応援ありがとうございました!
明日から最終種目のメドレーリレー頑張ります!やってやる。 http://t.co/XbaN98af
4位 リツイート回数7,843
男子メドレーリレー史上初の銀メダルとりました!本当に最高の仲間、スタッフに感謝です。
康介さん@kitajimakosuke 丈志さん@tkc200 拓郎さん@swimmer0421
ありがとうございました!27人リレー最高! http://t.co/cfHiYs15
5位 リツイート回数6,838
リレー銀メダル。みんなホントありがとう。@tkc200 @swimmer0421 @ryosuke_irie http://t.co/bi8vCSnw
6位 リツイート回数6,012
なでしこ凄い。
明日は絶対負けない!
絶対決勝いく!
7位 リツイート回数5,355
リオデジャネイロまで1460日。
8位 リツイート回数5,282
やったぞ!
ベスト4(^∇^)
9位 リツイート回数5,001
悔しい。
すみませんでした。
金メダルが欲しかった。関塚Japanでできるのは後1試合。
ここまで選ばれなかった選手も含め全サポーター、日本の為にも最後まで全力で戦います。
続けて応援よろしくお願いします。関さんに金メダルかけてあげたかったな。
10位 リツイート回数4,914
やったー
やったー
やったぞー。
めちゃ嬉しい。
みんな応援ありがとうございます。ほんとに最高のチームだ。
まだみんなとサッカーしたい。
オリンピック期間中、最もツイートしたのは競泳の外舘祥選手
オリンピック競技期間(2012年7月25日から8月12日)の間に最もツイートしたのは競泳の外舘祥選手、2位は陸上競技800mの横田真人選手でした。
アカウント名 | フォロワー数 | ツイート数 | リツイート数 | ||
---|---|---|---|---|---|
1 | 外舘祥 | 2,497 | 177 | 40 | |
2 | 横田真人 | 4,108 | 158 | 955 | |
3 | Hanae Ito | 6,288 | 143 | 291 | |
4 | 渡邉一樹 | 3,407 | 139 | 93 | |
5 | 松本弥生 | 4,372 | 137 | 678 | |
6 | 清武弘嗣 |
110,022 | 120 | 65,367 | |
7 | 石橋千彰 | 3,358 | 118 | 142 | |
8 | 鈴木聡美 | 22,282 | 109 | 2,678 | |
9 | 岩清水梓 | 31,827 | 108 | 5,202 | |
10 | 渡邊大規 | 1,882 | 107 | 68 |
ソーシャル・オリンピックを振り返る
ロンドン・オリンピックが初のソーシャル・オリンピックとして注目されたのは、ソーシャル・ネットワーク・・ユーザーの拡大、スマートフォンの世界的な普及、IOCによるソーシャル・ネットワーク、ブログを利用した情報発信の薦め(ガイドラインの整備)といった3つの要素が背景にあると考えています。
1. ソーシャル・ネットワークの拡大
ソーシャル・ネットワーク・ユーザーの増大 2008年に1億人だったFacebookユーザーは9億5,000万人、Twitterユーザーは同じ期間に600万人から1億4,000万人まで拡大し世界共通の情報発信プラットフォームが構築されました。
2. スマートフォンの普及
iPhone、Androidといったスマーフォフォンの普及によって、選手はどこからでも情報を発信できるデバイス(手段)を手に入れました
3. IOCがソーシャル・ネットワークによる情報発信を推奨した
IOCは「IOC Social Media, Blogging and Internet Guidelines for participants and other accredited persons at the London 2012 Olympic Games」を公開しオリンピック期間中、選手がブログやソーシャルメディアで経験を発信することを薦めました
私は特にIOCのガイドラインが大きかったのではないかと考えています。このガイドラインがなければ、オリンピック選手にとってはやはり失格になるのが怖いので、情報発信することは難しかったと思います。
ガイドラインは4枚しかない簡単なものですが、要点は「他の選手のプライバシーとオリンピック・スポンサーの権利を侵害しない範囲で、あくまで自分のことを個人的に発信するのであれば自由に情報発信できる」というものだと思います。また、写真、動画についての規定も記載されていますが、写真はわりと自由に発信できる内容になっています。
また、ソーシャル・オリンピックには3つのステークホルダーがいたと考えています。
1. メディア
メディアがテレビ以外のネット・メディアを利用して競技の配信を行った
2. 選手
メディア経由ではなくソーシャル・ネットワーク、ブログなどを通じて直接情報を発信した
3. ユーザー
ソーシャル・サービス上で友達や見知らぬ人々と競技に対して声援を送った
今回の調査は2の選手に焦点を当てたものになっています。また、オリンピック・スポンサーも4人目のステークホルダーと考えることもできます。
日本のソーシャル・オリンピックは盛り上がったのか
ファンとしてオリンピックを楽しんだものとしてはツイッター上で、選手のツイートを見たり、友達と一緒に歓声を送ったりと十分にソーシャルメディアを活用した気がしましたし、北京のときと比べて明らかにソーシャル・ネットワーク上でオリンピックは盛り上がりを見せていました。
しかし、日本の数字を世界と比べてみると、まだまだ余地があることが見えてきます。
例えば、日本人オリンピック選手69人の全部のフォロワーは115万人でしたが、ウサイン・ボルト選手は1人で183万人、NBAのスター選手でもあるレブロン・ジェイムス選手に至っては591万人のフォロワーを獲得しています。
こうした世界的な選手の場合、自国外からもフォロワーを獲得しているという側面はありますが、日本国内でもガチャピンが130万人を超えるフォロワー獲得していることを考えると、今回のロンドン・オリンピックでTwitterを通じて情報発信、コミュニケーションが爆発的に広がったという状況ではなかったと考えています。
今回のデータだけで判断すると「ロンドン・オリンピックで少なくない割合(4人に1人)の日本人選手は情報発信(3,365回)を行い、ファンはTwitter上での選手の生の声を歓迎しリツイート(27.5万回)を行ったが、日本のTwitterユーザー数を考えるとまだまだ拡大の余地はあった。次回のリオ・オリンピックでは、さらなるソーシャル・オリンピックの盛り上がりが期待されるが、その鍵はあくまで日本人選手の活躍、スーパースター級の選手の登場にある」と考えます。
関連記事
- Twitterモーメントの使い方 スマホアプリでの作り方をご紹介
- 企業ツイート・ランキング 2016
- 企業ツイッター・エンゲージメント数ランキング 2016
- 企業ツイッター・フォロワー数ランキング 2016
- 企業ツイッター・エンゲージメント率ランキング 2016