企業ツイッター・エンゲージメント率ランキング 2016
企業ツイートの平均エンゲージメント率は0.334%
企業ツイッター担当者が一つの指標として参照できるように2016年の企業ツイッターアカウントのエンゲージメント率ランキング(上位200)を作成しました。
エンゲージメント率とは企業のツイートに対してユーザーがどれだけアクションを起こしたかを示す指標で、ソーシャルメディアの効果指標として重視されています。
算出方法はツイートに対するリツイートといいねの合計数をフォロワー数で割ります。例えば100人のフォロワーがいるアカウントのツイートに対してリツイートが1件、お気に入りが1件であれば(1+1)/100で2%になります。
なお、Twitter公式アナリティクスのエンゲージメント率の母数はリツイートといいねの他にクリック、返信、フォローを含んでいますので、ここで紹介しているエンゲージメント率より高くなっています。
今回調査した企業アカウントの平均エンゲージメント率は0.33%でしたから、1000人フォロワーがいるアカウントであれば1ツイートあたり3件のエンゲージメントがあったことになります。
0.33%と聞くと少ないと思うかもしれませんが、340万フォロワーがいるスターバックスであればツイートごとに1万件以上のアクションがあったことになります。ちなみにスターバックスのエンゲージメント率は0.42%でしたから1ツイートあたり1万4,200件程度のエンゲージメントを獲得したことになります。
すごい数字ですよね。ツイッターの場合、リツイートされればどんどん情報が拡散されますから、1日に1回はスタバのツイートを見てる人は少なくないでしょう。ツイートを見てスタバに足を運ぶ人も少なくないでしょうから、集客効果はかなり大きいのではないでしょうか。
エンゲージメント率はどうしてもフォロワー数が多くなると低くなる傾向にあるのですが、上位のアカウントは数十万単位のフォロワーを抱えながら高いエンゲージメント率を達成しています。
1位はKIRIMIちゃん、2位はロート製薬。キャラクター強しを印象付けるランキング
企業ツイッターアカウントのエンゲージメント率ランキングは1位KIRIMIちゃん、2位ロート製薬、3位マイメロディ、4位JINS、5位ピューロランドでした。サンリオ自体も11位に入っており、とにかくサンリオ(人気キャラクターを持っている企業)がツイッターで強いことがよくわかります。
2位のロート製薬は人気グループGENERATIONSを起用したツイートが、4位のJINSは刀剣乱舞やおそ松さんを起用したツイートが高いエンゲージメントを獲得しました。
このようにツイッターの世界(ネット)だけでなくリアルの世界で人気のキャラクターやタレントに関連したツイートが高いエンゲージメントを獲得する傾向にあります。
ただ、強いキャラクターを持ってる企業というのはむしろ少数派ではないでしょうか。
注目はニッカウヰスキー。企業ツイッター担当者は参考になるはず
そうした中で注目したいのが14位のニッカウヰスキーです。ニッカウヰスキーはキャラクター、タレントを打ち出すのではなく商品(ニッカウヰスキー)とあう料理、素材を紹介することでエンゲージメントを獲得しています。
例えば、メロンの中にウイスキーを入れるウイスキーメロンというアイデアを紹介したツイートは2万4,000以上のエンゲージメントを獲得しています。
企業ツイッター・アカウントを運用する目的が製品・サービスを利用することでいかに生活を豊かにするか、便利になるか、楽しくなるかを伝えることであれば、ニッカウヰスキーのツイートは一つのベスト・プラクティスであると思います。
ニッカウヰスキーが出荷されたのは1940年ということですから、76年もの歴史のある商品になります。その商品自体の本質的な価値は変わらないかもしれませんが、メロンや雪見だいふく、マシュマロと一緒に楽しむことで、これまでと違う楽しみ方をツイッターという現代のコミュニケーションツールと通じて提示するというのは、使い古された表現ではありますが伝統的な商品にアイデアを施すことによって新しい価値を提案するということの実践だと思います。
そのほかにもアイデアあふれるツイートがたくさんありますので、是非ニッカウヰスキーの人気ツイートを見てみてください。
メロンがお手頃でおいしい今、やってみたぞい!
\ウイスキーメロン/
よく冷やしたメロンを二つに切って、種を取った穴にウイスキーを注ぐんじゃ!内側から食べ進めるうちに、メロン果汁とウイスキーが馴染んできて得も言われぬうまさじゃよ! pic.twitter.com/74ikPsTFiM
— ニッカウヰスキー【公式】 (@nikka_jp) 2016年8月9日
目的によってツイートの内容は変わるはず
ツイートの内容は企業がツイッターを利用する目的によって変わります。例えば、新製品を多くの人に知ってほしいのであれば有名タレントを起用するのもいいでしょう。すでに人気のある製品・サービス・キャラクターの価値を維持・向上したいのであればファンを意識したツイートになるでしょう。
成熟した製品・サービスに対して違う価値を付与して、もっと利用してほしいということであればニッカウヰスキーのように新しい価値を提示するツイートになるでしょう。
多くの企業がツイッターアカウントを運用するようになっていますが、ツイッター運用をマーケティング戦略全体の中に位置付けて、目標を設定しその中でどのようにツイッターを活用するか明確にした上で運用している企業はまだまだ少ないように感じます。
「なんとなくツイッターやってみるか」という段階はすでに終わっていると思います。2016年多くのエンゲージメントを獲得したアカウントを参考にしていただき、2017年のツイッター活用を検討してみてはいかがでしょうか。
2016年企業ツイッター・ランキング
エンゲージメント率以外の企業ツイッターランキングも公開していますので、見てみてくださいね。参考になるはずです。
→企業ツイッター・フォロワー数ランキング 2016
→企業ツイッター・エンゲージメント数ランキング 2016
→企業ツイート・ランキング 2016
調査について
- 2016年12月にTwitter APIを通じて、言語設定を日本語にしている各企業アカウントの2016年1月1日から12月1日までのツイートを取得し、RT(リツイート)及び@(リプライ)を除いた上で分析を行った。なお、ツイート数が多いため2016年の全てのツイートを取得できなかったアカウントもある
- 2016年のツイート数が100件以下の企業アカウントはランキングから除いている
- キャンペーンで自動的にリプライを大量に送信しているアカウントも結果としてツイート数が100件以下となるため除いている
- エンゲージメント数からリツイートを条件としたキャンペーン・ツイートは除いている
- エンゲージメント率は総エンゲージメント数(リツイートとお気に入りの合計)をツイート数とフォロワー数で除算した
- フォロワー数は2016年12月時点のもの
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