グーグルは、さらなる検索精度の向上のためにログインしている状態で検索すると、検索履歴を収集するなどして検索結果のパーソナライゼーション化を試みていますが、一方でユーザーが検索しているキーワードが漏洩するリスクもあります。
そこで、グーグルは数週間以内に、ログインしていユーザーが検索する場合にはSSL通信で検索するように仕様変更を行うと発表しました。要は、ログインしているユーザーは、http://www.google.comからhttps://www.google.comにリダイレクトされます。

詳しくは、グーグルブログ”Making search more secure(英語)”をお読みください。

ウェブ運営者は検索キーワードが取得できなくなるケースが発生

SSL通信で検索キーワードが第三者に見られる可能性が低くなることは、一般ユーザーにとっては良いことだと思いますが、ウェブ運営者にとっては、検索キーワードが取得できなくなるケースが出てきます。

検索キーワードは、SEOのみならずユーザーがどのような情報を求めてサイトに来ているかの判断データとなり、コンテンツ最適化にも活用できるため非常に重要なデータです。
従って、検索キーワードが取得できなくなるというのはウェブマスターにとっては結構痛い問題です。

それでも、”Googleが提供しているGoogle Anaylytics(グーグルアナリティクス)なら検索キーワードが取れるでしょ”と期待してしまいますが、実は公式にGoogle Analyticsでも、検索エンジンから来たということはわかるがキーワードは分からなくなりますと発表されています。
なお、ログインしたユーザーの検索クエリーは”(not provided)”と表示されるので、その回数を調べればどのくらいのユーザーの検索クエリーが取得できなかったのかは分かるようです。

今回の変更に関するGoogle Analyticsの発表は、Making search more secure: Accessing search query data in Google Analytics(英語)をご覧ください。

ただし、検索キーワードが取得できないのは以下のケースです。
ユーザーがグーグルにログインしている状態で、かつhttp(s)://www.google.comで検索したケース

つまり、グーグルにログインしていない、もしくはhttp:/www.google.co.jpで検索したケースはこれまで通り検索クエリーを取得できる見通しです。(少なくとも当面は)

検索キーワードを取得できないケースは一部

Google Analyticsブログによると、”今回の変更で影響をうけるのはトラフィックのごく一部(Keep in mind that the change will affect only a minority of your traffic. )”ということです。グーグルは、ログインして検索しているユーザー数のデータを持っているはずですから、実際にログインして検索するユーザーは少ないのかも知れません。しかし、私はGmailをチェックした後、わざわざログアウトをしません。私のようなユーザー(つまり、ログインしっぱなし)は結構多いと思うのですが、どうなんでしょうね?

また、日本のウェブマスターの場合、多くのユーザーはwww.google.co.jpで検索しているでしょうから、確かに影響は少ないかも知れません。

ただ繰り返しになりますが、検索キーワードはSEO的に重要ですし、www.google.co.jpも対象になる可能性は高いと思います。アメリカだけセキュリティを強化する理由はありませんので。

”われわれのチームは、ウェブマスターのサイト効果測定をサポートするために、検索キーワードを含む関連情報を提供する方法を模索し続けます。(Our team continues to explore ways that we can surface relevant information, like search query data, to help you measure the effectiveness of your website and marketing efforts)”ということですので、日本が影響を受ける前に、検索キーワードを提供できるようになることを期待しましょう。グーグルなら出来るでしょう!



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