Googleバズ

Google版ツイッターという触れ込みで登場したGoogle Buzz(バズ)が終了すると正式にグーグルブログで発表されました。理由は、Google+に集中するためで、数週間以内に新しいポストは出来なくなるそうです。これまでのポストはグーグルプロファイルで見ることが出来ます。

グーグルオフィシャルブログ:A fall sweep

とにかく、発表が地味というか冷たい感じで、発表のタイトルもA fall Sweep。枯葉掃除とでも訳せばいいのでしょうか。
内容もGoogle Buzzに特化したものではなく、Code Search、Jaikuなどと並べて終了サービスとして発表されています。

Google+に集約するというのは、方向性として正しいとは思いますが、Google Buzzが思ったような成功を収められなかったのは明らかだと思います。

Googleはソーシャルで勝てないのか

先日のグーグルの2011年3Q(7月から9月)業績会見で、ペイジCEOからGoogle+のユーザーが4,000万人に達したとの報告がありました。しかし、facebookは20倍の8億人、しかもfacebookのユーザー数がアクティブユーザー数なのに対して、Google+のユーザー数は登録ユーザー数ですから、実際はもっと大きな差があるでしょう。

実際に、一般公開によって大幅にユーザー数が伸びたものの、60%のユーザーが利用していないとの報道もありました。さらに、グーグルのエンジニアが(間違って)、”Google+は、グーグルが上から下までプラットフォームというものを全く理解していない完璧な例だ”とポストしてしまい、話題になっています。

数字的にも、メディアの報道内容的にもGoogle+の未来は、(グーグルが描いていたほどには)明るくないようで、Google+がいつの日かGoogle Buzzのようにひっそりと終了しないことを希望します(*)。

*実は、私は主にモバイルでGoogle+を活用しています。私のGoogle+の使い方は、実名のツイッターという感じで、Facebookが本当の知り合いとつながる目的なのに対して、Google+は知らない人との情報交換を目的として利用しています。モバイル版は、物理的に近くの人のポストが見れるので、結構役立つ情報を入手できたりします。さらに、モバイルアプリのレスポンスを含めた完成度は、Google+のほうが良いと思います。もちろん、facebookのほうが、トラフィック量、機能の種類が格段に多いですが。

Googleとfacebookは2項対立する存在なのか

時々、”Googleは終わった。これからはfacebookの時代だ”というような論調を見聞きすることがあるのですが、私はこうした意見に対して違和感があります。

まず、2011年3Qのグーグルの業績は、売上97億ドル(7,475億円)、純利益27億ドルで過去最高でした。このような業績を達成している企業が”終わった企業”とは到底思えません。facebookの2011年の年間売上予測は、42億ドルとはるかに及びません。

(参考)facebook2011年の売り上げ42.7億ドルで昨年の倍以上、課金サービスが好調

GoogleはYahoo!の凋落によってウェブ検索をますます独占しており、動画共有においてもYoutubeはトップに位置しています。AndroidはiPhoneを抜く勢いで、近い将来にスマートフォンOSの領域で以前のWindowsのような地位を確立する可能性もあると思っています。

要は、現時点では、Googleの一部の事業領域(ソーシャル)でfacebookと競合しているだけで、得意分野(収益を挙げている部門)では競合していません。逆に、facebookは提携関係からマイクロソフトの検索、地図サービスを利用していますが、必ずしも高いレベルのサービスを提供できてるわけではありません。その分野でGoogleとfacebookが提携すれば、無敵になるのではないかと思っています。

Googleがソーシャルで覇者になる可能性

ここまで、Googleがソーシャルで成功を納めていないし、成功することが必ずしも必要な経営環境にないということを述べさせていただきましたが、実はGoogleがソーシャルで成功する可能性はあると思っています。

鍵は、”モバイル”です。facebookの8億人のユーザーのうち3億5,000万人はモバイルアクセスです。これから、モバイル端末からソーシャルを利用するユーザー比率は高まっていくことでしょう。

GoogleはAndroidの開発、提供元であり初期インストールアプリの決定に大きな権限を持っています。

つまり、1990年代のマイクロソフトとネットスケープのブラウザー戦争と同じことがモバイルのソーシャルで起きる可能性があると思っています。

AndroidのアクティベーションにはGmailアカウントを必要します。ということはGoogle+アカウントを全Androidユーザーに作成することも可能です。

2~3年の間にAndroidが世界のスマートフォンOS市場で非常に大きなシェアを収めている可能性が高まっています。そこで、GoogleがAndroidをGoogle+促進のために戦略的に活用したら、もしかしたら大きな動きが見られるかも知れません。

(参考)
Google+ Traffic Falls 60% From Post-Launch Highs
More Bad News for Google+? Research Shows Sustained Downward Trend in Activity
Google Engineer Accidentally Posts Rant About Google+



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