リーマン・ショック以降、各国の中央銀行は金融緩和を進め、市場に大量の資金が流れ込んだものの、行き先(投資先)がなく、石油などの資源、商品先物などの高騰を招きました。お金を渡されても、融資先がない銀行の貸出資金の一部は、ネット、それもソーシャル系ネット企業のスタートアップへ流れました。

その結果、ソーシャル、特にFacebook APIを利用した位置、出会い系アプリや写真系アプリのスタートアップが大量に発生しました。また、資金はこうした小さめのアプリだけでなく、当然、Facebook、LinkedIn、Foursquare、Groupon、Zyngaなどのビックプレイヤーにも流れ、LinkedInは既に上場し、Grouponも’なんとか’上場を果たしました、’なんとか’というのは、リーマンショック後のユーロ危機によって株式市場が混乱したというだけでなく、上場前にGrouponに対して、目論見書に記載された会計的な数字の解釈、その他にも多くの従業員による訴訟、サービス自体の将来性など少なくない懸念が持ち上がったからです。

しかし、そんな疑念も振り払うかのように上場後、グルーポンの株価は40%も上昇し、28$に達し会社の時価総額は18B$(約1兆4,000億円)となりました。これは、ハイテク企業としてはGoogleに次ぐ記録です。

ただ、Googleは上場時に既に巨額の利益を上げていましたが、Grouponは赤字の企業です。将来性も当時のGoogleほど明るいとは思えません。
同じく今年、IPOを果たしたLinkedInも直近の四半期は赤字であったことを発表しました。

こうした状況を見ると、どうしても2000年あたりのインターネットバブルを思い出してしまいます。

ただ、インターネットバブルで多くの企業は廃業となりましたが、ユーザーの支持されていた企業、AmazonやeBayはその後も生き残り、10年たった今も業界をリードしています。(Yahoo! USは、ちょっと怪しくなってきましたが)

どうしても、市場の立ち上がりには玉石混交となってしまいがちだと思いますが、その中には光る玉もあります。

これから、IPOが予定されているFacebook、Zyngaを含めて、どの企業が本物だったかが分かるのには、そんなに時間はかからないと思います。



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