Twitter 新API1.1は、開発者、アプリ、マーケティングにどのような影響を与えるのか
厳しくなるTwitter API利用
Twitterは、数週間以内にリリースされる新API1.1に先立ち、変更点を中心に概要を発表しました。
→ Changes coming in Version 1.1 of the Twitter API
最近、TwitterはLinkedInへのデータフィードを取りやめる(参考:Twitter、サードパーティーによるツイート表示に制限 まずLinkedInで終了)など、サードパーティへのAPI制限を強化する方向性を示していたことから、今回のAPI1.1についても利用制限について高い関心が寄せられていました。
予想の通り今回のリリースは「すでに述べているようにTwitter利用のユーザービリティに一貫性を持たせるために、Twitter API利用をより厳しくします」で始まっています。なお、「すでに述べているように」というのは、6月にリリースしたDelivering a consistent Twitter experienceのことです。
具体的には以下の3点になります。
- 全てのAPI endpointへのアクセスは認証が必須となる
- Endpointごとに新しいアクセス制限を導入する
- 開発者利用ルール(Developer Rules of the Road)に変更を加える
Twitte APIへのアクセスは全て認証が必須となる
現行のTwitter API1.0ではいくつかのAPIは認証なしで利用可能ですが、1.1では全てのAPIが認証が必須となります。これは認証なしのアクセスに対してはTwitterはIPアドレスしか情報がなく、悪意あるアプリを特定したり、開発者のAPI利用形態を分析することができないため、認証を導入することにしたということです。
既にOAuthで認証されたAPIリクエストを利用している場合は、特になにもしなくてもよいようですが、そうでない場合は2013年の3月までにアプリケーションの改修を行ってくださいということです。
APIごとに新しい利用制限が導入される ほとんどのケースで350回から60回に減少
現行のAPIは、OAuthを利用したアクセス制限については、全て1時間350回と一律になっていますが、APIごとに制限回数が違うようになるようです。
しかし、ほとんどのAPIの1時間あたりのアクセス制限が60回になるということですので大幅に減少することになります。これは、かなりきついですね。
逆に、ツイート表示やプロフィール表示、ユーザー・ルックアップ、ユーザー検索は1時間720回と倍以上に増加するそうです。
詳しいAPIごとの利用回数制限は、追ってリリースされるAPI1.1のドキュメントを参考にしてくださいということです。
開発者 利用ルール(Developer Rules of the Road)が変更になります
Developer Rules of the Roadと呼ばれるTwitter開発者向けの利用ルールが変更になるそうです。
ツイートの利用ガイドが、利用要件(Requirements)となり、遵守が求められるようになり、違反がある場合APIアクセスができなくなることもあるようです。
また、スマートフォンなどにプレインストールされるTwitterクライアントアプリについては事前の承認が必要となるそうです。
ホームタイムライン、アカウント設定、ダイレクトメッセージ、ユーザーストリームにアクセスしており10万以上のユーザートークンを扱うTwitterアプリは、Twitter社の承認が必要となるそうです。また、すでに、10万以上のユーザートークンを扱っているアプリは現在のユーザー数の200%まではAPIを利用することはできるようです。
移行期間はリリースされてから6ヶ月
移行期間は、API1.1がリリースされてから6ヶ月ということです。
Twitterが独占したい領域とサードパーティが活躍できる領域
Twitterは早い段階からAPIを開放しており、サードパーティによる多くのTwitterアプリ、クライアントが公開されたことが、ユーザーの拡大に大きく貢献しましたが、ここに来て(たぶん)収益化の観点からTwitterが公式に提供しているのと類似のサービスについては制限をかける方針に転換しました。
この方針については、以下の図を利用して明確に表明しており、右上のTraditional Twitter Client, SyndicationはTwitter社の領域だと明言しています。(原文:With our new API guidelines, we’re trying to encourage activity in the upper-left, lower-left and lower right quadrants, and limit certain use cases that occupy the upper-right quadrant.)
右上の領域にアプリとして具体的に、StorifyやFavstar.fm、Tweetbot、Echofonをあげて18ヶ月前から警告していると記載しています。
詳しくは、原文のリリースで確認ください(ここに記載されたすべての情報は原文が優先されます)
→ Changes coming in Version 1.1 of the Twitter API
(参考)
Twitter’s API Update Cuts Off Oxygen to Third-Party Clients
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