Facebookクーポン

1. 人気だけ出ても駄目なのだ

”マーケティングは消費者を行動させなければいけない。人気だけ出てもだめなのだ。私は仮想の消費-好かれてはいるが売れてはいないー状態を望まない。”

”私”とは、コカ・コーラのマーケティング責任者(CMO: Cheif Marekting Officer)を長年務め、コカ・コーラを世界中で売れるブランドにしたセルジオ・ジーマン氏であり、このフレーズは同氏の著書”すべては「売る」ために -利益を徹底追求するマーケティング”からの引用である。

このフレーズは、セルジオ氏が消費者に好評だったTVコマーシャルを売り上げに繋がらなかったために取りやめたエピソードの中で語られる。

感じの良い広告、カッコいいTVコマーシャルを作り消費者(もしくはマーケティング関係者だけ)に好かれマーケティングの賞をとり、社内で効果として必死に紹介しても、商品、サービスがさっぱり売れなければマーケティング部門の外では評価されない。

2. 業績不振時にマーケティング予算が削減される企業

本当にそうなのだろうかと疑問に思ったら、業績不振時のマーケティング予算を見るといい。

日本に限らない話だが、業績不振に陥った企業が広告・マーケティング予算を削減するケースが少なくない。これは、本当はおかしな話である。

なぜなら、業績不振であれば売り上げ(トップライン)を回復させるために広告・マーケティング活動を強化しなければいけないからである。

業績不振にもかかわらず広告・マーケティング予算が削られるとしたら、それは社内では広告・マーケティングは、売り上げ増加には役に立たないと認識されていることになる。

3. いいね!だけでは駄目なのだ

さて、話を本題のFacebookに移そう。

Facebookが日本で普及しはじめたのは昨年(2011年)からだが、これまでに多くの企業がFacebookページを開設している。

ユニクロ、無印良品、au、全日空、日本航空は60万人を超えるファンを獲得している(2012年6月13日時点)。投稿を行えば、数千単位のいいねが寄せられる。

現時点では、Facebookの効果指標はファンの数もしくはエンゲージメント指数を中心に語られることが多く、社内レポートでもファン数の増減などを指標として利用しているケースが多い。

”我社のファンが増える。我社の情報を好きな時に無料で発信できる。我社とコミュニケーションをとってくれる消費者が増える”

これは間違いなく企業にとってよいことである。通常、企業が情報を伝えるにはコスト(お金)が発生する。また、Facebookページのファンになってくれているということは、企業・ブランドに好感をもっており製品、サービス情報はノイズではなく、有益な情報と捉えてくれる可能性も高い。

だが、もう一歩踏み込みべきだ。冒頭のフレーズをFacebookに当てはめてみよう。

”Facebookは消費者を行動させなければいけない。「いいね!」だけではだめなのだ。私は仮想のエンゲージメント-「いいね!」はしてくれているが、売れてはいないー状態を望まない。”

もうそろそろファンを行動に移す施策をとるべき時期に来ている。小売業であれば来店につなげ、サービス業であればサービスの利用、契約につなげるということだ。

そうでなければ、今は”Facebookは話題だし、これから伸びるプラットフォームだから業務として力をいれてくれ”もしくは、”Facebookがビジネスとしてどうなるかわからないけど、重要になるかもしれないから、とりあえず仕事中にやっていても文句は言わない”という姿勢の管理職も、やがて”で、なんの役に立つの?”と言い出すのは確実である。

そこで、効果を説明できなければ遊んでいたと思われておしまいである。創意工夫を凝らして万単位のファンを獲得したとしてもだ。

4. いいね!を行動に転換する

いいね!を行動に転換するにはどうすればいいのか。

「行動に移す動機をあたえる」のである。

Facebookのファンの多くは過去に商品、サービスを利用してある程度の満足を得たから企業のFacebookページにいいね!をしたのだから、その満足を再度、経験したいと思わせる動機を与えるのである。

動機としては新製品の紹介やセールの案内などの情報をポストで提供する手もあるが、購買、来店に直結する動機としてFacebookクーポンの活用は検討する価値があると思う。

5. Facebookクーポン成功事例 -5万を超えるクーポンを発券

本当にFacebookクーポンは検討する価値があるのか、大企業ではないと活用できないのではないかとの疑問に対して、Facebookクーポンを活用して売り上げの増加、来店などにつなげた2つの事例を紹介する。

吉祥寺にあるハワイアンレストラン「カウラナコーンバレー」のFacebookページはファン数1,514人、キャパは貸切で100名とよくある郊外型の飲食店に思える。

カウラナコーンバレー

ところが、このページで3時間ビール飲み放題&山盛りポテトのFacebookクーポンを提供したところ、5万9,504件もの申し込みがあった。もちろん、これだけの人数がすべて来店するわけはないのだが、仮に5%としても3,000人弱の来店につながったことになる。

クーポン事例レストラン

次の事例は、箱根の温泉旅館「けやき荘」の日帰り温泉割引クーポンである。けやき荘のファン数は2,013人とFacebookページとしては中規模だが事業規模的(客室数31室)には十分なファンを確保しているように見える。

けやき荘

しかし、ファン数2,000のFacebookページで紹介されているクーポンを5万7,316人がGETしている。仮に来場者が5%としても2,800人を超える来場となる。

Facebookクーポン 温泉

なお、温泉とFacebookクーポンは相性がいいのか温泉のクーポンは結構多く発券されており、それぞれ多くの申し込みを獲得しているようである。

Facebookクーポン

6. ソーシャルの力を発揮。中小事業者こそクーポンの利用を

これらの事例で気がつくのは、ファン数以上のクーポンの発券している点である。

Facebookは、どちらかと言えば新規顧客を獲得するよりは、既存顧客とのネットワーク(つながり)を強化するほうが得意なプラットフォームであるが、既存顧客(ページのファン)がクーポンを入手した場合、その情報はニュースフィードに流れる。それを見た友人がクーポンを入手するという流れが発生したのであろう。

ソーシャルネットワークを活用したマーケティング活動の特徴として、友人の推薦(クチコミ)が新規顧客を呼び込む点がよく挙げられるが、今回、紹介した事例はまさにソーシャルネットワークにより顧客の幅が広がったケースであると言える。

また、それぞれ中小規模事業にもかかわらず万単位のクーポンを「コストをかけずに」発券できている。

繰り返しになるが、Facebookは既存顧客とのつながりに向いているプラットフォームであるが、友人を介してクーポンを入手し商品、サービスを体験することで、顧客となりファンになることも期待できる。

7. Facebookクーポンについて

facenaviではFacebookクーポンをまとめた「Orange Coupon」というサイトを展開しており、利用方法についてもガイドを提供している。

今回の記事を読み、Facebookクーポンの活用を検討したい事業者の方には以下の情報を参考にしていただきたい。

また、Facebookが提唱しているSocial by Designを紹介した「Social by Designで考えましょう。マーケティング戦略の中でのFacebook活用」も参考にしていただきたい。



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