格差是正を求めてウォールストリートで始まった”Occupy Wall Streert“はソーシャルによって発生、拡大した社会運動として注目されていますが、目的は”職の創出”だと思います。(*)
本日、facebookは米国労働省、3つの職業関連エージェンシーとともに、Occupy Wall Streetとは違ったアプローチでソーシャルを活用し失業率の改善を目指す”Social Job Partnership”を発表しました。
リクルート活動においてソーシャルメディアを活用する”ソーシャルリクルーティング”は以前から注目されており、アメリカでは大学の就職課の70%がFacebookページを運営しており、ある調査では92%の企業がリクルート活動にソーシャルを利用すると回答しています。
既に求人プラットフォームとして、専門のLinkedInよりもFacebookのほうが利用されているとの報道もありますが、今回の発表によって、求人市場においてfacebookとLinkedInの競争が激しくなるかも知れません。(参考)7 Reasons Why Recruiters Like Facebook More Than LinkedIn
無料の求人情報配信サービスを開始。LinkedInと競合?
具体的な活動としては、”Social Jobs“ページを立ち上げ、労働省などから提供される教育素材を提供し、特に失業率が高い10州とプエルトリコでプロモーションを行うということです。これらの州の失業率は16%と全米平均(9.8%)より50%以上高いそうです。
また、Facebookは求職者、リクルーター、大学就職課が如何にソーシャルメディアを活用しているかの調査を行うとのことです。
ただ、立ち上げたばかりなのでしょうがないのかもしれませんが、現時点ではSocial Jobsのページは単なるリンク集にすぎない印象です。
これからの展開で最も注目すべきは、”Facebookが求人情報配信サービスを無料で提供する”という点です。ただ、具体的にどのような形態で提供されるかは不明です。
なお、原文は”We will explore and develop systems where new job postings can be delivered virally through the Facebook site at no charge. ”になります。
米国政府との共同イニシアティブということで、ビジネスを全面に出してはいませんし、求人情報サービスについても無料ということですが、圧倒的なユーザー数を誇るfacebookがリクルーティングに進出したことは、今後のソーシャルリクルーティング業界の動向に大きく影響してくると思います。
注目点は、政府と組んだことが吉と出るか凶と出るかですね。お墨付きを得たとも考えられますし、身動きが取れなくなったとも考えられますから。
(*)Occupy Wall Streetは、もはやニューヨークを超え、全米、全世界に広がりを見せていますが、格差是正のみならず反戦、原子力など幅広い社会問題に対する運動に拡大しています。また、世の中的にソーシャルが生み出した運動とされていますが、テレビの力も相当大きいのではと私は思っています。
(参考)
Facebook Initiative Could Lead to Job Posting Service
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