昨年リリースされて以来、スマホ専用の無料通話、メッセンジャーアプリとして人気を博し、2012年8月末で利用者数が世界6000万人、国内2700万人規模まで拡大しているLINEに対して、企業もマーケティングツールとして注目しており公式アカウント、スタンプなどの企業向けサービスも続々と登場している。

しかし、2012年8月31日時点でブランド・サービスの公式アカウント数は13とユーザー数ほど伸びないが、その理由はページ開設などの基本サービスが無料のFacebookなどと違いLINEでは企業活動は有料が基本であることがあるようだ。

(参照)「LINE」、SNS参入の理由 フェイスブック追撃へ(日本経済新聞)

企業公式アカウントのお値段は年間2,000万円

LINE公式アカウントの初期費用は200万円、翌月以降の維持費は月額150万円からということなので、年間2,000万円以上ということになる。

企業が提供する無料スタンプは1,000万円

サントリー(なっちゃん)、スクウェア・エニックス(ドラゴンクエスト)などが提供している無料スタンプは1,000万円からの価格設定となっている。

安くはないが効果はあるそう

非常に高い価格設定という印象であるが、これまでに利用した企業はその効果を評価しているようである。

初期にLINEをプロモーションに利用した「映画スパイダーマン」の公式アカウントは1ヵ月で113万人がフォローし、ローソンは320万人のフォロワーを獲得。ローソンは、多くのソーシャルメディアでアカウントを運用しているが、Twitter(18万人)、Facebook(36万人)と比較しても、その数字の大きさが分かる。

また、ソーシャルメディア・マーケティングでは「いかにファン、フォロワーを実際の行動に促すことができるか」が課題となっているが、ローソンが商品クーポンをTwitter、Mixi、Mobage、GREE、LINEで配布したところ、LINEは通常の行使率(3%)の倍ほどの利用があったということである。

効果はあるが利用できるのは一部の大企業のみか

確かにLINEは急速に拡大しており、マーケティングツールとしての可能性も高いことが実証されつつあるが、やはり数百、数千万円という価格設定では、利用できる企業はテレビ広告を出しているような大企業に限定されてしまうのではないか。

ネット広告の特徴はグーグルのアドセンスなどに代表されるように何千円という予算でも広告を出すことができる価格設定にあり、それによって広告利用の可能性を大企業から中小、零細企業まで広げたことにあったように思う。

LINEの企業向けサービスははじまったばかりで、これからラインナップも拡張され様々なサービスが提供されると思われるが、是非、中小企業でも手が届くような広告、マーケティングサービスの提供も検討してほしいものである。



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