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業務用ツイッターアカウントは誰のもの?そしてフォロワーの価値は?

言うまでもなく、企業がツイッターアカウントを取得し情報発信を行うことはもはや当たり前です。長い企業の場合、ツイッターを利用しはじめて数年が経過していると思いますので、担当者が異動したり会社を辞めることも珍しいことではありません。
しかし、業務アカウントが個人と深く結びついている場合、そのアカウントの所有権とフォロワーの金銭的価値については、複雑なケースがあるようです。

今後、ますます増加するであろうソーシャルメディア・アカウントを巡る争いの先例となる可能性があるツイッターアカウントをめぐる裁判が、アメリカで注目を集めています。

スマートフォン販売サイトのツイッターアカウントをめぐる裁判

スマートフォン情報・販売サイトPhonedog.comで、4年間ライターの仕事をしていたノア・クラビッツさんが仕事を辞めたのは2010年10月のことでした。
クラビッツさんはPhonedogに勤めるノアということで、Phonedog_Noahのツイッターアカウントで17,000フォロワーに対して情報を発信していました。

会社を辞める際に、Phonedog社はクラビッツさんに、時々情報を発信するのであれば、ツイッターアカウントを維持してもよいと電話で言いました。電話でというのがミソで、両者の間には書面、契約書の類のものはないようです。また、電話で会話したというのもクラビッツさんの主張にすぎないようです。

しかし8ヶ月後、Phonedog社はクラビッツさんに対して、ツイッターのフォロワーは顧客リストに相当し、1ヶ月2.5ドルの価値があるため8ヶ月分にあたる340,000ドル(2,652万円)の損害賠償訴訟を起こしたのです。

Phonedog社はコメントを控えていますが、以下のステートメントを出しました。
”当社が投資したコストとリソースがフォロワーの獲得につながっており、ソーシャルメディアを通じたファンとブランドは実質的な価値を伴うものであり、当社の資産であると考えている。当社は、我々の顧客リスト、社外秘情報、知的財産、トレードマーク、ブランドを守る”

今後のソーシャルメディア・アカウントとフォロワー(ファン)の行方を占う裁判

本裁判は注目を集めているのは、今後、同様の裁判において重要な判例になる可能性が高いためです。

ポイントは2点です
1. ソーシャルメディア・アカウントは誰のものか
2. フォロワーの金銭的価値はいかほどか

ツイッターのフォロワーの金銭的価値は決まったものはありません。しかし、今回のケースで裁判所が、なんらかの値付けを行うかもしれないというのです。
そうなると裁判的な意味もありますが、仮に裁判所が1フォロワーの価値は100円とした場合、マーケティング担当者も社内で説明する際に、今年ツイッターフォロワーを1万人獲得したので、金額にすると100万円の価値があるというふうに主張することができるかも知れません。

ニューヨーク州のある法律家は、”ツイッターアカウントの開設理由が鍵だ。もし、Phonedogの顧客とコミュニケーションをとったり、新しい顧客を獲得することを目的に、アカウントが開設されたのであればPhonedogのものだろう。今回の問題を複雑にしているのは、クラビッツ氏が契約社員であったことだ。そのため、Phonedog社がツイッターでツイートすることを契約の中に盛り込んでいたことを証明しなければいけない”と言います。

ツイッターだけでなく、Facebook、Google+でも起こりうること

このようなケースは、ツイッターアカウントだけでなく、FacebookページやGoogle+ページでも起こりえます。例えば、A社の社員という肩書きでファンを集めた後に、ライバル会社B社に転職した場合、そのアカウントはA社の後任者に引き継がなければいけないのか、それとも、あくまで個人の資産なので、B社に転職後はB社の情報を発信して問題ないのかといったケースが考えられます。

こうしたリスクを軽減するためにも社内ルールを明示し、社員教育することが肝要です。

あなたの会社は大丈夫でしょうか?

(参考)
A Dispute Over Who Owns a Twitter Account Goes to Court
Company Sues Former Employee for Value of 17,000 Twitter Followers [VIDEO]



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